2015年4月24日金曜日

統計マジック、結果が入れ替わる

先日、川名ゆうじ議員が桜堤児童館をどうしたらよいかというアンケートした結果をブログで発表しました。大括りの意見を円グラフにしてあって概ね廃止するのは早計だという意見で安心しました。今回はこちらの統計ではなくて保育園についてです。以前読んだ本に「これでいいのか保育園」というものがありました。この本では武蔵野市の保育園で、利用者・父母会会長・行政の諮問委員会という異なる三つの立場を同時に体験した話が書かれています。サービスする方と受ける方両者の立場を理解してる珍しい著者です。

統計の話に戻ります。この本によりますと、武蔵野市は保育園を民営化するかどうかを検討する諮問委員会に一つの統計データを提出したとのことです。内容は市内の公立と私立の保育園利用者の満足度アンケートです。選択項目は大変満足・満足・どちらかと言えば満足・どちらとも言えない・どちらかと言えば不満・不満・大変不満です。普通、どれだけ人が満足してるか、どれだけの人が不満を持っているかは、満足の部の合計や不満の部の合計で調べます。ところが市はどちらかと言えば○○の部分を省いて比較した数字を出してきて公立園より民間園の方が満足度が高いと結論づけたのです。だから民営化はいいことだと言いたいのでしょう。ところがどうでしょう、どちらかといえば満足まで加えると結果が逆転してしまうんですね。この部分を聞かされなかったら民営推進に傾きます。みごとな情報操作でした。それに気がついた著者もおみごと。下のグラフはアンケート結果です。数値は%です。


しかし、このアンケート結果は園毎のアンケート回収率が大きくばらつきがあったり、標本母数が少ないことによる現実とのズレがあることを考えると、どちらが満足度が高いとは言えません。このデータで諮問委員会の流れを変えようとするのは無理があります。民営・公営どちらも満足度は高いんじゃないでしょうか。

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